NPO法人どんまい

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2025年03月11日

「春は別れと出会いの季節」

 

春の訪れとともに、桜が咲き誇る季節がやってきますね。

桜は新たな始まりや旅立ちを感じさせてくれ、古くから「出会いと別れの象徴」とされてきました。

今日は松山市伊台の西法寺にある伝説の桜、薄墨桜についてお話ししようと思います。

 

薄墨桜の由来

薄墨桜の物語は、今から約1300年前、天武天皇が道後温泉を訪れた際に遡ります。

天武天皇の皇后が病に倒れ、皇后の回復を祈るために、本尊である薬師如来の修法祈祷が行われました。

祈りが通じ、皇后は無事に回復されたという喜ばしい知らせが届きました。

そのお礼として、天武天皇は皇后に対して薄墨の綸旨とともに一本の桜を贈ったと伝えられています。

この桜が、後に「薄墨桜」と呼ばれるようになり、その名前が歴史に刻まれることとなります。

 

 

 

 薄墨桜の特徴

薄墨桜は、学名「イヨウスズミ」で、ヤマザクラ系の八重桜に属します。

花の大きさは約3cmほどと小さめで、花弁は16枚前後と多く、花が満開になるとその美しさは格別です。

花の色は、白色を基調として少し紅を帯びており、淡いピンクがかかった上品な色合いが特徴です。

この色合いが、まるで薄墨で描かれたように見えることから、「薄墨桜」という名前がつけられたと言われています。

 

 

薄墨桜は毎年、4月10日前後に見頃を迎え、その美しい花が春の風景を彩ります。

特に、風に舞う花びらが幻想的な雰囲気を作り出し、多くの人々を魅了します。

昭和37年には、松山市の天然記念物に指定され、地元の人々にとって大切に守られてきました。

薄墨桜は、その美しさだけでなく、歴史的背景にも価値があるため、多くの観光客や桜愛好家に親しまれています。

毎年春に咲くその花は、まるで時を超えて伝わる歴史の証人のように、私たちに大切な思い出とともに春の訪れを告げてくれます。

皆さんにとって、素晴らしい春となりますように。